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「硫黄島からの手紙」 [映画(劇場)]

「本日の一本」

「硫黄島からの手紙」

新年明けましておめでとうございます
本年も「魚屋の映画日記」をヨロシクお願いいたします

映画の日でもある本日
息子にどうしてもコノ作品を見せたくて、仕事の妻を置いて二人で劇場へ・・・

「父親たちの星条旗」を見た時にコノ作品を見てから感想を書きたいとブログに書きました
争った両国それぞれの視点から見せてくれた物語は
公開の順番、企画、全てにおいて唸らされてしまいました

「硫黄島からの手紙」を先に見せてほしい考えていた気持ちも
コノ作品を見た後には、コノ順番でよかったと思えるほどスバラシイ作品でした

国や権力、一握りの狂信的な大人に振り回される若者の姿(両国)

国民の戦争への意識を回復させるために生きて利用される若者(米国)

オカシイと思っている人を踏みにじり国を挙げて戦争に向かい
玉砕を美学と押し付けられ、自ら死へと向かわされてしまう若者(日本)

監督が伝えたかったのは、二つの国がどう戦ったのではなく
戦争という狂気の中で若者たちはどんな思いで戦い、亡くなって行ったのか
それが、いかに悲しく、悲惨なことなのかを訴えたかったのではないかと思います
一人で敵に向かい皆を助ける兵士も、銃弾をかいくぐり敵の本部に突っ込む兵士も
英雄と呼ばれる人間はコノ2作品には出て来ません
造られた英雄像を演じ続け、本当の英雄の無念を感じながら
生き続ける苦しみを背負わされた若者
家族を思い、仲間を思いながら、決して死ぬことを良しとはせず
極限の精神状態の中、生き残るためだけに必死で戦っている若者
そんな彼らの姿は感動とか美談では語れない
物凄い緊迫した、生への執着心を見せ付けられた気がします
炎のオレンジだけが鮮やかな銀色に覆われた画面を
息を呑んで見続けることしか出来ないボクは上映中そんなことばかり考えていました

日本人が描かない日本の戦争映画
光りの当らない者への愛情に満ちた物語
クリント・イーストウッド監督・・・・
スバラシイ作品をアリガトウございました

追伸
見終わり食事をしている時、息子に感想を聞きました
彼は「自決」「玉砕」「正しいことを言うと首を切られる矛盾」
自分が知っている戦争映画とは全く違うコノ作品を
「とてもコワイ映画だった」と語っていました
ゲームや漫画ではない「死」というものを少しは考え直してくれれば
コノ作品を見せたことは良かったのではと思います







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コメント 6

kobutagumi

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします^^

この映画、ぴょん吉のリクエストで2人で見ました。
感情に訴えないつくりなので、逆に心に響くものが大きかったように感じます。
今でも、渡辺謙の顔を見ると、映画を思い出してしまいます。
by kobutagumi (2007-01-02 14:33) 

魚河岸おじさん

>こぶーさん
あけましておめでとうございます
こちらこそヨロシクお願いいたします

ぴょん吉クン、作品のチョイスがすばらしいですね
優しい心を持った映画好きな少年・・・・
昔の自分を見ているようです(嘘です)
niceアリガトウございます
by 魚河岸おじさん (2007-01-03 10:48) 

ken

この作品を観て、彼が「怖い」と言ったのなら、
もうそれだけで見せた価値があったのではないでしょうか?
そういう子供たちのための映画だったと僕は思います。
by ken (2007-01-04 23:01) 

魚河岸おじさん

>kenさん
こんばんは
ボクも見せてよかったと真剣に思いました
長いと感じた作品を胃を押さえながら見ていた息子
かなりキョウレツな作品だったようです
niceアリガトウございます
by 魚河岸おじさん (2007-01-07 21:48) 

non_0101

こんばんは。
この作品は、私にとってはかなりショックでした。
前作の『父親たちの星条旗』は歴史のお勉強のように
ちょっと離れた視線で観ていた気がします。
でも、今回の『硫黄島からの手紙』は兵士たちに共感しながら観ていたので
彼らの亡くなるシーンがとても強烈に感じました。
久々に映画の映像が翌朝の夢に出てきてしまって参りました(^_^.)
この映画を観た子供たちは、きっと戦争をゲームのように軽くではなく
きちんと現実を感じながら考える人になりますよね!
by non_0101 (2007-01-12 23:50) 

魚河岸おじさん

>nonさん
こんにちは
妻が「ゼッタイ見せたい」と言っていた気持ちが
チョット嬉しくなった作品でした
「鉄コン」は見たくないらしいんですけどね(笑)
niceアリガトウございます
by 魚河岸おじさん (2007-01-16 16:53) 

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