「ニューヨーク・ドール」：魚屋の映画日記：SSブログ

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「ニューヨーク・ドール」　[DVD] [編集]

「本日の一本」

「ニューヨーク・ドール」

７０年代のロックシーンにキョウレツな足跡を残し
あっという間に去っていった伝説のバンド「ニューヨーク・ドールズ」
そのバンドのベーシスとだった”アーサー・キラー・ケイン”
バンド解散後の彼を追いながらバンドの歴史までもたどるドキュメントです

物凄く好きだとか特別なバンドではないんですが
彼らが後に出る多くのバンドに影響を与えたことは知っていました
そのメンバーだったアーサーの半生は非常に興味深いものでした

解散後何をやっても上手く行かなかった彼は
アルコールにすがり、行き着くところまで行ってしまいました
ココまでは普通の話なんですがその後が凄いんです
神の啓示を受けたとモルモン教に改教しそこの施設で働き始めます
物静かな老人の姿からは想像できない過去の映像
いまいち編集が雑ですが、交互に見せるつくりに引き込まれてゆきます

インタビューを受ける彼は本当に静かな男なんです
神と共に生きている清貧な男の姿からはロックのロの字も感じられません
しかしモリッシーが主催するイベントでドールズ復活の話が舞い込んでからの
彼の姿はドンドン変ってゆきます

質に入れていたベースを引き取り練習を始める姿
サポートメンバー達とのセッション風景
音楽から離れていた彼がだんだんとグルーブしてゆく姿
手探りながら昔の感覚が出てきます
喧嘩していたメンバーとの再会への不安
緊張の瞬間はやはり音楽の中でした
お互い目も合わさずに始まるセッション
その後のハグする姿を確認すまでのほかのメンバーの緊張感が
まるで自分もその場にいるような感覚になりました

衣装を選び、スイートルームに案内され、華やかなパーティーに出席する
自分の手からこぼれ落ちた生活があっという間に戻ってきました
髪型、目つきも変る姿はチョット驚きでしたが
いざ、ライブが始まる時の驚きはそれ以上でした
メンバーと神に祈りを捧げる姿は、神の使いとして生きているときの姿でした
一夜限りのライブが終わり、このまま終わらないだろうと周りが予想している中
彼は何のためらいもなく、教会に戻るのでした
バス通勤をするかれの姿は、元のオジサンの姿でした
甘い誘惑にぶれない心の強さにマタ感動してしまいます

そして迎えるエンディング・・・・・・
まさに、ロックでした
伝説を証明して伝説となる
意味が分からないと思いますが、ロックなんです
カッコ良すぎました！