「蝶の舌」 [DVD]
「本日の一本」
「蝶の舌」
少年と老教師の心のふれあいを軸に、スペイン激動の時代を上手く織り込みながら
劇的なラストシーンまで心揺さぶられる作品です。
老人と少年の物語は数多くありましたが、
この作品のカラーは少し違っていました。
ありがちな、異性への目覚めや、初めて見聞きする事への興味
そして、旅を通しての心の成長など
これでもかとてんこ盛りで物語が進んでゆきます。
しかし終盤の赤狩りが絡み始めてからは、スペインの歴史に明るくないと
民衆の苦悩や、残酷さが心に響いてこないのかもしれません
仲の良かった人たちが気まずくなり、疑心暗鬼に落ちる過程など
見ていて辛い部分が多くなるに連れて、その気持ちが大きくなってきました。
体制の交代で敵にされてしまう大切な人たち、涙の中での悲しい行列
何故大好きな人にひどい仕打ちを大人たちはするのか?
何故僕にまで同じ事を強要するのか?
そんな疑問の中で、少年が老教師に放った言葉は・・・・・
さよならの代わりのこの言葉は、その後のアップの表情と共に
忘れられない作品となりました。
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