「うつせみ」 [DVD]
「本日の一本」
「うつせみ」
新作が出るたびに気になって仕方がないのに
単館が多いため、なかなか劇場で見ることが出来ない
韓国のキム・ギドク監督の作品です
留守宅に忍び込み、気ままに生活している青年
暴力的な夫に縛られ、無感情な生活をしている女
青年が彼女の家に忍び込んだ時をきっかけに
二人は当ての無い秘密の旅に旅立ちます・・・・
相変わらず、何の説明もなしに、突然物語りは始まります
言葉を交わすことなく惹かれ合って行く男と女の姿
コレだけを淡々と映し出してゆく88分間
息が詰まる緊張感を全編に漂わせながらも
ゆっくりとそして美しく見せてくれます
頭で理解することが意味の無い作品とでも言いましょうか
目の前で行われている事が、夢か現実かなどと考えるよりも
人が惹かれあう美しさとそれに伴う残酷さを見せ付けられる
一筋縄では行かない作品です
監督の頭の中で造り出される物語は、いつもそうですが
弱い立場の人間が持つ純粋なまでの心と
自分だけが良ければいいといった、心の闇の部分までもを
真っ直ぐに映し出してしまうので、感動と言う一言では括れない
とても重たくてしばらく引きずってしまう描写が多く
見るときには覚悟がいる監督です
とても、リアルな感じがする生活空間の中で語られる人生の夢と毒
まだまだ、目が離せない監督です。
僕は魚河岸おじさんの「観るときに覚悟がいる」という表現を読んで
腰が重くなっていたように思います。
僕にとってギドク作品は「ニュートラルな状態で観るべき映画」でした。
ヘタな先入観を持たずに、素で観るのがいいですね。
by ken (2007-04-11 12:51)
>kenさん
こんにちは
ボクの場合はニュートラルで見ると
とんでもなく落ち込むか、考えさせられてしまうので
ビックリするのが分かっていながら構えてみても、ビックリする
みたいな感じの鑑賞方法になってしまいました
わかっていただけたでしょうか(笑)
ボキャブラリーが少ないもんで・・・・・
by 魚河岸おじさん (2007-04-13 16:02)