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「サイドカーに犬」 [映画(劇場)]

「本日の一本」

「サイドカーに犬」

家族を、母を気遣うあまり、自分を殺しながら生活していた少女薫
父に愛想をつかした母が家を出た夏、彼女の前に突然ソノ女性は現れた
ヨーコと名乗るその人との、刺激的な夏休みが始まります・・・・・

根岸監督の最新作は、こじんまりとしながら、心の隅に何かを残してくれる
ずぅ~っと大切にしたい作品でした

くわえ煙草で文庫を読み、ぶっきらぼうなのに気遣いが行き届いている
突き放しているようで物凄く優しい
人の痛みを分かっているから、人にやさしく出来る
感動や尊敬したことに対しては、年齢など関係なく素直に認める懐の深さ
そんな、ヨーコさんと薫の夏休みを見せてもらいながら
ボクの心は次第に揉み解されてゆきました

不器用なまま大人になったなった薫が語り、思い出す二十年前の夏休み
人生を変えるような人だったかもしれないヨーコさんとの出会い
そんな出会いがあっても、劇的に変らない人生を見せられることで
自分の幼少時代に出会った、刺激的なお兄さんお姉さんのイメージが
自然とダブらせることが出来たことが、コノ作品のポイントだと思います
全てを覚えているはずでもなく、いいように記憶している思い出を
まるで酔っ払った時に、仲間に話しているような感覚で見せてくれたことが
一番心に響いたところかもしれません

国立が舞台となるコノ作品、思わぬプレゼントがありました
夏の夜、ヨーコさんと薫が夜の市営グランドに出かけるシーン
「キヨシロー好き?」「いいよぉ~キヨシロー」「こんど、カセットかしたげるね」と語った後に
「いい事ばかりはありゃしない~」と口ずさむヨーコさん
雨上がりではなく、スローバラードでもなく、いい事を口ずさむイイ女・・・・・ヤラレました
薫はソノ後、ボスの音楽をどう聞いたのか・・・・・
少しは彼女の人生に影響があったのか・・・・気になります

ヨーコさんと別れた後に、薫が父親に始めて感情をぶつけるシーン
控えめでおとなしい彼女が、思いをさらけ出した時に見せる父親の行動と表情
涙が止まらなくなるほどの忘れられない場面です
コノシーンがあることで、コノ作品がピシッと締まりました

昭和を懐かしむのではなく
自分にも、必ずいたであろう、刺激的なお兄さん、お姉さんを思い出しながら見てください


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コメント 4

ピンクどらごん

私のブログ「雪盛根笹」(ゆきもりねざさ と読みます)にも「サイドカーに犬」のことを書きました。
by ピンクどらごん (2007-06-30 16:54) 

魚河岸おじさん

>ピンクどらごんさん
はじめまして
お邪魔してみます
by 魚河岸おじさん (2007-07-01 16:59) 

non_0101

こんばんは。やっと観てきました!いい作品でしたね(^^)
ヨーコさんに段々と薫が近づいていく様子が可愛かったです。
> ヨーコさんと別れた後に、薫が父親に始めて感情をぶつけるシーン
私は、言葉ではなくて全身で感情をぶつけている薫の姿に心を動かされました(^^)
by non_0101 (2007-07-29 22:09) 

魚河岸おじさん

>non_0101さん
こんにちは
良かったですよネェ~
あまり良い評判を聞かないのですが
ボクの中では、今年のベスト3に入る作品です
(ベスト3ってところがビミョーですが・・・)
niceアリガトウございます
by 魚河岸おじさん (2007-07-31 15:34) 

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