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「ドッグヴィル」「マンダレイ」 [DVD]

「本日の一本」

「ドッグヴィル」「マンダレイ」

ラース・フォン・トリアー監督
造りだす作品たちが、いつも衝撃的な監督が挑む
監督から見たアメリカの映し出す「アメリカ三部作」の二本です
廃墟を利用した舞台のような設定のセット
白墨で引かれた線で区切られる、壁も屋根も空もない町並みや建物
必要最小限のセットの中で演じられる俳優さんたちのスバラシイ演技
チャプターごとに区切られた物語は、ソコでナニが行われるかを先に知らされ
ナレータの挑発的な言動に心揺さぶられながら
見る人たちは、人間の心の奥に潜む善意と悪意を否が応でも感じ
後味の悪さと不思議な爽快感が混じった気持ちで
ソレゾレの作品を見終わることでしょう

主人公は「グレース」と言う美しい女性
ギャングに追われ逃げてきた町ドックヴィルでかくまってもらう事から始まる
善意、エゴ、嘘、暴力、ソシテ復讐の物語が「ドックヴィル」です

ドックヴィルから旅立ったグレースがたどり着いたアメリカ南部の農園「マンダレイ」
奴隷解放から70年たった今でも続いている農園の姿を目の当たりにした彼女は
黒人たちの自由のために行動を起こしだします
ソコにはマタ、信じられないような現実が待ち受けていました
本当の自由とは、人が人を支配する様々な行為を見せ付けられる物語が「マンダレイ」です

監督から見た「アメリカ」と言う国
広大な景色や、大勢の人間を登場させず、最小限の人間の姿だけを映し出し
人や国が持っている狂気の姿を2作品ともコレでもかと見せつけてきます
優しさに溢れる姿から、徐々に残酷になってゆくドックヴィルの人々
女性には耐えられない仕打ちまで受けたグレースが取った最後の行動の衝撃
マンダレイの黒人の自由のために立ち上がった彼女の姿
「民主主義」と言う大義名分が生み出す不自由さ
ソノ民主主義に押しつぶされるグレースの姿
「ホントの自由とは何か?」とボクに問いかけてくる物語
嫌悪感が沸き起こっても、何回も見るべき作品だと
最後には思ってしまうほど、ヨク出来た作品たちだと思います


グレースを演じる二人の女性

二コール・キッドマンの美しさが印象的な「ドックヴィル」
美しい彼女が受ける、過酷な運命と現実
ソシテ、最後の審判の日の彼女の表情が語るアメリカの姿
忘れられません

ブライス・ダラス・ハワードの透明感が印象的な「マンダレイ」
女性特有の魅力とは違う、強い意志を持つ姿が前作とは違ったグレース像を魅せてくれます
モノスゴイプレッシャーがあったと思いますが
彼女は堂々とグレースを演じています

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」同様
人間の姿をココまで深く真っ直ぐに映し出している作品はそうあると思いません
善意と裏切り 愛と復讐 欲望に身を任せる人生
「よくぞココまで描きました!」と叫びたくなる作品
体調の良いときにご覧下さい





ドッグヴィル プレミアム・エディション

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD



ドッグヴィルの告白

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マンダレイ デラックス版

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『ドッグヴィル』×『マンダレイ』 ラース・フォン・トリアー ツインパック

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コメント 2

**feeling**

この作品は、飽き飽きしながら見てると、ギャッとする感覚に陥ったすばらしきかな作品です。思い出深い。
by **feeling** (2008-09-12 19:41) 

魚河岸おじさん

>**feeling**さん
こんにちは
ホント素晴らしい作品です
niceアリガトウございます
by 魚河岸おじさん (2008-09-14 16:42) 

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