「グラン・トリノ」：魚屋の映画日記：SSブログ

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「グラン・トリノ」　[光TV] [編集]

「本日の一本」

「グラン・トリノ」

映像配信のサービスもある光TV
月に一本だけ、無料で作品をチョイスできるサービスもあります
今月は、迷うことなくコノ作品を選びました！

頑固者の偏屈な老人
一人暮らしの彼の家の隣に、アジア人家族が引っ越してきます
それから起きるトラブルや、隣人との関係の中で
人生の終わりの時期を迎える彼の心に少しずつ変化が見えてきます
臆病な青年、ソンナ彼を心配する気丈な姉
二人の姉弟を守りたい為に彼が取った行動は
復讐の連鎖を続ける現代社会に、監督なりのメッセージが静かに
力強く込められている気がしました

現代社会の病んでいる部分を、サラッと織り込みながら
クスッとさせる部分も忘れずに、キチンとした会話劇で収める手腕に脱帽です
監督作品の醍醐味はコノ部分にあると思います
アメリカ最高と思い続ける老人と、考え方も生き方もマッタク違うアジア圏の若者との
心の触れ合いを通して、世に問う様々な問題を浮かび上がらせ
説教ジジイなのに、説教臭くならない不思議な物語は
人と人との、様々な関係をスパイスに終わりまで進みます

親子の繋がり、祖父と孫の繋がり、人と宗教の繋がり
文化の違う人種との繋がり、若者と老人の繋がり
社会と社会人としての繋がり、善と悪の繋がり

迷い、考えながらも、一つも答えが見えてこない複雑な現代社会
誰もが、心の隅に持っているような「ナゼ？」をキチンと見せてくれたコノ作品
答えが出るわけではないのですが
監督が示した一つの答えについて、語り合いたい作品です
静かな傑作です