「八日目の蝉」

「本日の１本」

「八日目の蝉」


映画好きな若者と、仕事関係で久し振りに知り合いました
豊洲のサービスデーと重なった休日
ホントウに久し振りに劇場へ足を運びました
一人で見るのが当たり前になっていた映画館
鑑賞後語り合える喜びを噛み締めながら上映を待ちます

「優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。」

永作チャンと井上真央チャンが、真正面を見つめるポスター
久し振りに大きな期待を寄せてしまった作品です
コノ２人が、ドンナ演技を見せてくれるのか？
期待しましょう


小さな命が翻弄される物語


母として生きられない体になってしまった女性の心の隙間を
誰が埋めてあげればいいのだろう

母として生きるはずだった女性が過ごした空っぽの４年間を
誰が埋めてあげればいいのだろう

母と思って愛情を注いでくれた人が、母ではないと告げられた幼い娘の疑問のスベテを
誰が埋めてあげればいいのだろう

私がいたために、家族が崩壊し、ミンナに迷惑をかけていると語る成長した少女の過程を
誰が埋めてあげればいいのだろう



大人のエゴ
男のエゴ
女のエゴ

鑑賞中考えていたのは、コノことばかりでした
大人に振り回される子供達の姿
コドモなりに精一杯考え行動する、けなげな姿を見せられると
自分のふがいなさとだらしなさが、ドンドン体の中で膨らんでゆきます

名前を二つ持ってしまい、母と呼べる人を不幸にも二人持ってしまった少女
コノ娘が過ごしてきた２０数年を思うと切なくてタマリマセン

ボクみたいな男がドンナに書いても、コノ作品は女性のものです
ダメな男に翻弄され、人生を台無しにされ
それでも前を向いて生きてゆこうとしている、肝の据わった
ステキで美しい女性達の物語です

永作チャン　真央チャンはモチロンですが、出てくる女優さんスベテがイイです
過度な演技に走るのではなく
心に何か（嘘）を持っていることを隠しながら生きている
ソンナ繊細な感情を、皆さんホントに上手く演じていると思います
言葉の裏に潜む感情まで伝わってきた作品でした

幼い娘が誘拐犯と知らずに過ごす４年間
コノ２人が、世間とどう向き合うのか？
イチバンの疑問を角田さんは難なく乗り越え
ナットクできる２人の道行きを見せてくれます
コノ描き方が、圧倒的なリアリティーになって目の前で語られます
コノ場面を見続けると、誘拐犯と被害者の関係を忘れる時もありました
ソノくらい彼女は愛情を注がれたのが分かります
哀しく、残酷な４年間を、美しい４年間に変えた愛・・・・
待ち続け、愛情を注げない実母のことを考えると
ナントも切な過ぎるのですが、２人の笑顔には嘘がないのだから
人の生きる世は残酷すぎます・・・・

男の身勝手で翻弄される女性
コンナことが実際に起きないように・・・・
祈るしかありません

スバラシイ作品でした。

コメント 5

原作を読みました。ドラマと映画は予告編しか見ていません。
魚河岸おじさんが指摘された、それぞれの女たちの空洞を埋められるものは無いと思いました。
それぞれの女の人たちが、その空洞を持ちつつどう生きていくかなんだろうなあ・・と感じました。
予告編の永作さんの表情がすばらしいですね。
見てみたいと思います。
by Sho (2011-05-02 16:42) 

こんばんは。
見応えのある作品でしたね。
あの愛に満ちた４年間が終わる別れのシーンは本当に辛かったです。
主演の二人の想いの強さがスクリーンから真っ直ぐに伝わって来ました。
母子の愛の強さを信じたくなる作品でした☆
by non_0101 (2011-05-03 20:24) 

＞shoさん
おはようございます
仰るとおりだと思います
どう生きてゆくか？
ソコなんです
ソレを想うと辛くなるんです
niceアリガトウございます

＞non_0101さん
おはようございます
何が幸せなのか？
片一方が幸せなら、もう一方はいいのか？
スベテは男が巻き起こした悲劇
申し訳ない気持ちでイッパイでした・・・・
niceアリガトウございます

＞noelsさん　thisisajinさん
niceアリガトウございます

by 魚河岸おじさん (2011-05-04 06:19) 

現在、原作を読んでいるところです。
映画も観る予定ですが、やはり一番期待しているシーンは、二人の4年間が突然断たれるシーンでしょうか。
愛について深く考えさせられるストーリーに引き込まれています。
by 実希 (2011-05-16 15:50) 

＞実希さん
こんばんは
ゼヒご覧になってください
女性の感想も聞きたいものです

by 魚河岸おじさん (2011-05-17 19:03)