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「松さん主演 宮尾登美子原作 NHKドラマ三部作」 [松さん]

「番外編」

「松さん主演 宮尾登美子原作 NHKドラマ三部作」

「松たか子いいねぇ~、特に櫂の時が最高だったよ・・・」
父と飲みながら「隠し剣 鬼の爪」の話をしている時の事です
ザンネンながら、コノ三部作をボクは、全て見ておりませんでした
運が良いことに、全作品DVDになり、連続リリースされることになり
ココ何週間は、コノ作品をレンタル予約上位に登録していまして
昨日ようやく全ての作品を、見終えることが出来ました

宮尾登美子氏
逆境の中で、強く生きる女性を描くことには定評のある作家の作品
恥ずかしながら、一作品も読んだことがありません
映像化されたものは、何作品か見たことがありますが
コンナに集中して見たのは、初めてです

「蔵」「春燈」「櫂」
コノ順番で、放送されたらしいのですが、年代が分かりません
一ついえることは、どの作品も、スバラシイ俳優さんたちで固められ
時間もお金もタップリとかけた作品でした
サスガ!NHKと言った所でしょうか

大正、昭和初期
激動の時代を生き抜く女性の姿は、怒鳴るだけの男達の姿を尻目に
松さんは当然ですが、他の女優さんたちも、トテモ美しく描かれていました

「蔵」

女人禁制であるはずの酒蔵を継ぐ盲目の娘「烈」
彼女の人生を描く物語なんですが
最初の3話は松さんがゼンゼン出てきません
少女時代は、イマをときめく井上真央ちゃんが演じています
その事も驚きだったんですが、演技も上手くて2度ビックリでした
話がそれてしまいました
物語は、彼女が若かったせいもあるのかもしれませんが
イマひとつ、心にグッと来るところまで行かなかったのが本音でした
ジャケット、タイトルロールの美しさには惚れ惚れしますが
ただそれだけ感も否めませんでした

「春燈」「櫂」

高知の芸姑紹介業(女衒)の一家を舞台にした
宮尾さんの自伝的小説を映像化したコノ2作品
時代設定は逆の順番で放送されており、何も分からないボクは一瞬(?)だったんですが
母と子、父と子、夫と妻の、愛と葛藤の記録を見せ付けられてゆくうちに
原作の持つ、圧倒的なパワーを感じるスバラシイ作品でした

特に、「櫂」が映し出す、時代設定と、ソコで戦い続ける女性達の姿は
本当にスバラシイの一言で、語れてしまうほどでした
「身を売ることでしか家族を助けられない、自分達は、ソノ手助けをしている」
そんな、大義名分の下で成り上がる男達の世界
ほんの何十年前に、当たり前にあった世の中
ソンナ暮らしの中で、自分を見つけ出そうとする女性達の姿
母性と言うのか、女の底知れない強さが随所に散りばめられていて
哀れとか、悲しいとか言う前に、強さに対する恐怖心さえ沸いてきました

2作品に共通することなんですが
一切の、セックスシーンや、女性が遊郭で受ける悲しい場面を排除しながら
女性の悲惨な人生をキチンと描き出しているところも好感が持てました
コノ汚い身なりから、ドンナ人生が待っているのか・・・・
お約束的なシーンがない分、想像力だけで持っていかせる演出
トテモよろしいと思います

父(夫)と対当しながら、自分の道を進もうとする主人公を
松さんは、本当に美しく演じてくれております
「春燈」では、父の呪縛から逃れられない娘を
「櫂」では、夫の力から逃れられない妻を
本当に、美しく演じてくれております
実年齢より、遥か年上の役を、凛とした佇まいで艶やかに演じ
少し影がありながら、心の炎は燃え尽きていない主人公を
シッカリとボクの目に焼き付けてくれました
アト、おまけですが、麻生久美子嬢との共演も見逃せません
久美子嬢が、松さんの事を「おかあさん」呼ぶシーンが
チョットだけ違和感がありましたが、見逃せないシーンでした
そして、「櫂」でも、井上真央ちゃんが、重要な役で出演しております
天才子役(妻情報)と呼ばれていたらしい彼女の面目躍如といったところでしょうか

長々書いて参りましたが
「櫂」という物語が持つ圧倒的な力を、松さんは本当にスバラシイ演技で見せてくれたことが
自分の事のように嬉しかった数日間でした









松たか子主演「櫂」

松たか子主演「櫂」

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2007/08/22
  • メディア: DVD


松たか子主演『藏』

松たか子主演『藏』

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2007/06/20
  • メディア: DVD


松たか子主演『春燈』

松たか子主演『春燈』

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2007/07/25
  • メディア: DVD


隠し剣 鬼の爪

隠し剣 鬼の爪

  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • 発売日: 2007/06/29
  • メディア: DVD


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コメント 4

Sho

「蔵」「春燈」「櫂」。三部作となっていたとは知りませんでした。「蔵」のパッケージの美しさには息を呑みますね。
「櫂」しか見ていませんが、今でも心に残る好きな作品です。
他の二作も見てみたいなあ・・・
>少し影がありながら、心の炎は燃え尽きていない
魚河岸おじさんの、おっしゃる通りです。

男に虐げられているようで、運命に翻弄されているようで、実は決して「弱く」などないんですよね、この女の人達は。
口ごたえするでもなく、声高に何かを叫ぶでもないのに、本当に強い。
こういうつよさを身につけたいです。

松さん、よく似合いますね。こういう役。とても素敵でした。
by Sho (2007-09-05 22:52) 

魚河岸おじさん

>shoさん
こんにちは
ゼヒ!他の2作品もご覧下さい
「弱く」ない女性の姿・・・・
見られると思いますよ!
niceアリガトウございます
by 魚河岸おじさん (2007-09-07 16:04) 

α_Student

私も『櫂』しか見たことがありませんでした。
でも何度も何度も見ました。
原作本も読みました。
本当に大好きな作品です。

他の二作もぜひ近いうちに見てみたいと思います。
by α_Student (2007-09-07 16:38) 

魚河岸おじさん

>q_Studentさん
こんにちは
ゼヒご覧下さい
「櫂」と言う小説の凄まじさ
ボクも読んでみようと思います
niceアリガトウございます
by 魚河岸おじさん (2007-09-09 16:51) 

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